2012年に発売された井上雄彦先生のエッセイです。
当時購入して一度読了していましたが、スラムダンク映画を観て熱が上がっていたので再読しました。
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エッセイの内容
2010年頃からのバガボンド休載中のエッセイなので話題の多くもバガボンドになりますが、それ以外にも「最後のマンガ展」「屏風:親鸞(しんらん)聖人」「ガウディ」と漫画家の枠を外れたお仕事を多数こなされていました。これは映画「THE FIRST SLAM DUNK」にも繋がっていることだなと感じました。
本書で語られていましたが「初めて」というのをすごく大切にしているそうです。バガボンドもスラムダンクには無かったことへのチャレンジの一つ。スラムダンク映画化への拘りも「初めて」を大切にしているからこそ出来たことなんだなと納得できました。
バガボンドは現在も2014年を最後に休載中ですが、当時も体調不良を理由に休載しており、その時の苦悩と葛藤が書かれています。一度連載を再開した直後のバガボンドを読むと武蔵の迷いが井上雄彦先生と重なるようでした。
原作の宮本武蔵を知らないのでもしかしたら原作通りなのかもしれませんが、畑を耕すことに多くのページを使っており、この描写こんなにいるのだろうか、この漫画はどうなってしまうんだろう、と不安になったのを覚えています。私事ですがその後に本棚を整理するという理由でバガボンドもリアルも手放しています。すごく後悔している。
言い訳を書くと、結婚して本棚を漫画で占有できなくなり、大幅に数を減らしたんですよね。だから今はkindleで買うようにしているんですよ。ごにょごにょ。でもファンなら売っちゃだめだよね。スラムダンクは大切に持っているしね。
バガボンドの終わりについて
スラムダンクの終わり方と比べ、バガボンドをどう終わらせるのか、というところで迷走していたようです。スラムダンクが井上先生にとっても最高の終わり方で、描いててすごく楽しかったと。それに比べてバガボンドは終わるタイミングを逃してしまったんじゃないかと。
終わり方がどうであれ見届けたいと思っているファンは多いはずなので、何年後でもいいので描いてほしいですけどね。(売っちゃましたけども。。続きは気になる。。。)スラムダンク映画の仕事が大成功となった今、もう一度バガボンドと向き合える可能性は十分あるかも。
ハンターハンターの冨樫先生といい、どうも好きな漫画家さんは休載がち。でも子供の頃に夢中になって読んだ漫画の漫画家なのでそりゃそうか、とも思う。僕も大人というかおじさんになったので、歳を重ねれば体調面でも精神面でも生活にも変化がある。金銭で仕事はしないだろうし。
井上先生は「熟していく、あるいは枯れていく感じを受け入れなければ」と語られています。「人気ナンバーワンである必要はないんだ」とも「格好よくなくてもいい」とも。歳を重ねることの重みを感じる言葉ですね。そこが格好いいな、と思っちゃいますけど。
無理せず続けてもらえればそれが一番いいです。
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